国際親善トピックス

研修コース修了後の閉講式及びパーティーでの研修員の様子 new!

2024年02月13日

KITA研修部 上野和志

研修員自国の国旗と共に記念撮影


 KITAがJICA殿から受託している研修コースは、環境管理、水資源管理、生産技術・地場産業活性化、省・新エネルギー、食品安全行政、都市開発など多岐の分野に渡ります。海外研修員は主にアジア、アフリカ、中南米の様々な開発途上国の公官庁や企業団体に所属しており、日本で言うといわゆる中間〜上級管理職の方々が多いようです。

 2019年末から始まったコロナパンデミックの影響で2020年から2022年までは渡航制限のために従来の来日研修が実施不可となり、オンライン遠隔研修が長らく実施されましたが、2022年末以降に漸く来日研修が再開され、対面での研修が可能となりました。来日研修では、遠隔研修では得られなかった現場訪問見学や実習体験に加え、異国の研修員同士の触れ合いや意見交換が可能となり、研修員の満足度を高めることができたものと思います。また、日本文化を肌で感じてもらうことは来日研修でしかできないことです。


研修員代表による謝辞
 研修期間はコース毎に異なり、概ね2〜8週間で実施されますが、期間中は多くの講師による講義、現場見学、実習、グループ討議・発表などが行われます。コースによっては、九州から関東や関西方面への移動も伴うため、新幹線乗車体験に加え、週末の観光やショッピングを楽しむ研修員もいます。

 研修最終日のアクションプラン発表会後の閉講式では、修了証が授与された後に研修員代表による謝辞が述べられるのですが、概ね共通していることは、JICAオフィサー、KITAコースリーダー、コーディネーター及び講師の方々への感謝の言葉は勿論のこと、加えてJICA九州のフロントデスクの皆さんが研修員の名前を覚えて常に笑顔でお世話してくれたことに対する感謝の言葉です。特に日本人の礼儀正しさ、寛大さ、献身、時間厳守には感銘を受けたとの言葉が多く聞かれます。また、来日前は期待と不安を抱いてきたが、来日後は不安は払拭され、期待は大きく上回る結果になったとの言葉も聞かれます。謝辞の最後には、各々の自国へ戻ったら、研修で得られた知識と経験を活かして自国の発展に尽力するという抱負が語られます。


閉講式後の集合写真
 閉講式では皆さん正装で参加されますが、中には自国の華やかな民族衣装をまとって参加される研修員もいて、とても印象的です。来日時の荷物が嵩張って大変だったものと思いますが、嬉しい限りです。アフリカからの研修員の中には、民族衣装で閉講式に参加し、パーティーで踊りを披露する場面もあり、盛り上がりに華を添えてくれています。
また、閉講式では各研修員の出身国の大きな国旗が並べられているのですが、修了証授与時及び閉講式後に大きな自国の国旗と共に写真に納まる研修員の嬉しそうな姿がとても印象的です。自国の大きな国旗に触れる機会が殆どないからだと思いますが、分野毎に自国を代表して来日しているという思いも強いからだと思います。


立食パーティー
 閉講式後のパーティーでは、JICA九州内のレストランからいろんな国の代表的な料理が提供されますが、アジア、中東、アフリカでは宗教上の理由で食事制限やアルコール制限があるため、出来る限り研修員の出身国に合わせた料理が提供されています。特に、ビーフとポークに制限が多く、チキンは概ねOKであることが多いようです。稀に菜食主義の方もおられますが、、、 また、アルコール制限のある研修員が多いコースでは、ノンアルコールビールが提供されますが、これは日本特有らしく、珍しがる研修員がいます。ただ、「ノンアルコールならビールと言ってはいけない」とジョークを飛ばす中南米の研修員もいました。


アフリカ研修員による踊り
 パーティー後半では、研修の想い出を振り返るため、期間中に撮影された写真や動画を編集したスライドショーが放映されるのですが、週末の観光地や食事中の映像が流れると概ね研修員の皆さんは盛り上がりをみせます。
 研修期間が短く、且つ研修員数が少ないコースの場合、パーティーでの盛り上がりは今ひとつですが、逆に研修期間が長く、且つ研修員数が多いコースの場合、期間中に研修員同士が仲良くなっており、かなりの盛り上がりがみられます。勿論、アルコールの影響も大きく、宗教上の理由でアルコールを飲まないアジアやアフリカの研修員が多いと概ね静かなパーティーとなるようです。もっとも国民性もあるのでしょうが、、、一方、スペイン語で研修が実施される中南米からの研修員参加のコースでは、食事やアルコールの制限もなく、且つ国民性なのでしょうが、本当に賑やかになります。

 閉講式の翌日には殆どの研修員はそれぞれの自国に向けて帰途につきますが、中には別れを惜しんで感傷的に涙する研修員もいるようです。研修員の皆さんには、研修で学んだことを活かしてそれぞれの国の発展に寄与して欲しいと願う次第です。