JICA草の根事業近況報告
2015.11
技術協力部長 麻原 伴治
訪日研修修了式(JICA九州)
当初は企業が抱えている課題を聴取・診断し適切な助言を行うことを目指しましたが、年4回程度、1回あたり4〜5日の訪問・指導では限界があること、また国営企業から転身した企業は別として、新しく起業した企業はまだ経営力のレベルが低いことから、基本となる5Sを中心に指導してきました。
一定のレベルに達した企業はまだ少ないですが、一緒に活動してきました大学の先生たちが指導者として育ってきており、後は彼らに任せられる環境となっております。
もう一つの活動として、大学の中に生産管理の講座を根付かせることを目標に核となる先生を日本に招聘して、基本的な知識の習得と企業訪問を通して実践の現場を体験してもらうことを実行してきました。
この訪日研修には、ハイフォン市において今後指導的な役割を担うことが期待される企業経営者も参加しています。現在、新しい講義カリキュラムが開講し既存のカリキュラムも充実が図られており、生産管理を学習した若い人材が巣立ち始めています。
このように短期で我々のやれたことはわずかですが、確実に種まきは出来たと確信しています。この5年間、市内の企業・大学・企業OB・北九州マイスターなど多くの方々のサポートのもと、プロジェクトを進めてくることができました。関係各位に深く感謝申し上げます。