技術協力

マレーシア国キャメロンハイランドにおける食品系廃棄物の堆肥化およびリサイクルループの構築

2018年1月

技術協力部 部長専門員 竹内 眞介

野菜くずの多いごみ

マレーシア国のキャメロンハイランドは、標高1‚500mを超える高原地帯で自然が残る観光地であるとともに、冷涼な気候を活かした野菜や果物の栽培が盛んな地域です。

しかしながら、野菜や果物の残渣(以下食品廃棄物)は廃棄物中の水分が多いため、現地にある焼却工場で焼却処理ができず200q程離れたところにある最終処分場へ運ばざるを得ないなど深刻な環境問題を抱えています。

このような背景から、楽しい(株)は北九州市およびKITAの協力のもとJICA中小企業海外展開支援事業=案件化調査=を活用して、キャメロンハイランドにおいて食品系廃棄物の堆肥化および堆肥を利用して野菜や果物の有機栽培を行うリサイクルループ構築のための調査を平成29年11月より1年間かけて行うことになりました。

調査の主な内容は下記のとおりです。


ごみの搬送車(積載能力:20トン)
(1) 食品系廃棄物の分別収集システムの構築に係る調査

・食品系廃棄物排出者への分別排出の協力依頼および食品廃棄物の分別収集システム
   について調査・検討を行う。

(2) 分別収集された食品系廃棄物を使った堆肥生産に係る調査

・一般廃棄物の処理業の許可の取得、堆肥化に係る処理費の徴収、堆肥化施設の建
   設・運営、運転員の雇用、建設用地/電力/用水の確保などついて調査・検討を行
   う。

(3) 出来上がった堆肥を使った有機野菜栽培に係る調査

・出来上がった堆肥を使用した有機栽培について調査・検討を行う。

(4) 栽培された有機野菜の販売・流通に係る調査

・生産された有機野菜を販売する仕組みづくりについて調査・検討を行う。