技術協力

「ダバオ市での廃棄物発電事業にかかる準備調査・事業化検討」における本邦研修

2018年7月

技術協力部 部長専門員 近藤保光

ごみステーションの見学 (2回目の研修)

フィリピンのミンダナオ島ダバオ市への廃棄物発電(WtE)施設の導入を目指して、4年前から新日鉄住金エンジニアリング梶A北九州市などと共に活動を行ってきました。

その結果、2017年3月本事業が採択され、その活動の一環として本邦研修を2回行うことになりました。

WtE建設には地域の廃棄物発生状況、ごみカロリー等を把握し、ごみ減量施策が今後どのように展開されるのかなどの予測が必要です。

そして何よりWtE施設とはどんなもので、ダイオキシンなど排ガス対策はどうなっているのかなどについてのダバオ市職員、市民、NGOの理解が不可欠です。


廃棄物発電施設の視察 (1回目の研修)  
そのため、WtE施設の理解促進と北九州市の廃棄物リサイクル、ごみ減量施策を学ぶ本邦研修を企画しました。

カリキュラムは、日本及び北九州市の廃棄物管理講義、WtE施設・リサイクル施設などの見学です。

2017年末の1回目の研修では、北九州市との「環境姉妹都市協定」締結もかねて、サラ市長、ドミンゴ副助役などが参加され、2回目は今年2月に開催し、バンティディン副助役、ロペス市会議員などが参加されました。

参加者は、WtE施設はもちろん、その排ガスが厳しく管理され、北九州の街がきれいで清潔だと語っていました。

この研修で一番記憶に残っているのは、サラ市長が廃棄物管理以外に下水道など将来の街づくりに非常に関心が高かったこと、そして、何より彼女の純真で素朴な人柄に触れたことでした。本年3月には日比政府間で交換公文が締結され、ダバオ市のWtE施設建設事業はスタートしました。