技術協力

ベトナム国ハイフォン市の都市廃棄物の堆肥化支援は第二フェーズがスタート

2018年7月

技術協力部 部長専門員 倉 弘二

ハイフォン市で目指す「有機廃棄物循環」

KITAと北九州市アジア低炭素化センターが取り組んでいるハイフォン市の都市廃棄物堆肥化支援について、KITAニュース第47号(July 2017)で報告して以降、カウンターパートであるURENCO社(都市環境公社)は、定常業務として日量20〜40tの有機廃棄物を受け入れ良質な堆肥づくりを実施しています。

そして、堆肥を使用した野菜・花卉栽培の試験・啓発農場を整備したり、2017年度に開催された省エネルギー・環境保護に関する国際展示会で、製造した堆肥を市民に紹介するなど、公園・緑地での自家消費だけでなく市場形成にも取り組んでいます。

コンポストセンターでの良質な堆肥製造の重要なポイントは、技術的なことだけではなく、良質な堆肥原料となる有機廃棄物の分別収集も必要です。

市内の主要な市場・レストラン・ホテルに有機廃棄物分別収集に係わる啓発活動を実施するとともに、社内スタッフに対しても同様の啓発・教育を進めています。


ナムクン・ホテルを戸別訪問し、有機廃棄物分別収集の協力を依頼
現在は市内の26の市場、23のレストラン・ホテルから有機廃棄物を分別収集していますが、第2フェーズではこれをさらに拡大し、日量100tの有機廃棄物の堆肥化を目指すことにしています。

そのためには、有機廃棄物の分別収集対象を30の市場、100のレストラン・ホテル、食品製造工場、セプティクタンク汚泥へと対象を拡大するだけでなく、一般家庭での取り組みを始めるべく2地域がモデル地区として選定されました。

また、農業部局との密な連携を構築したことで有機栽培用堆肥としての利用も予定しています。

目指すはハイフォン市の有機廃棄物循環の形成です。