技術協力

JICA草の根協力事業「プノンペン都廃棄物管理改善事業」の進捗(その1)

2020年7月

技術協力部 部長専門員 澤田 献

各サンカットで開催された住民タウンミーティングの様子(住民の意見を反映したアクションプランの素案づくり)

今回は、「住民啓発チームの活動」を紹介します。

2019年1月に5つのサンカット(郡に相当する行政単位)のごみ管理の現状と問題点を調査し、その結果を4月のタウンミーティングで住民と共有するとともに、その解決のために必要なことを日本の事例から学びました。

6月にはごみ問題解決に向けた住民ワークショップを開催し、住民の意見を反映したアクションプランの素案を作成しました。

8月に副知事、サンカット長などを対象とする北九州市での研修により、ごみの分別、収集・運搬、中間処理、焼却、リサイクル、埋め立てまで一貫したごみ処理と産学官民の協働の重要性を学び、アクションプランを完成させ、現在それを実行しているところです。

10月のごみの組成分析では、生ごみが約半分、次いで使い捨てプラスチック類が多いことを確認しました。

資源ごみを回収するエッチャイが、ペットボトルや紙類等の資源ごみのかなりの量を回収しているようですが、それ以外のごみは手付かずです。


環境教育の様子(児童がごみ問題を解決するための決意表明)
そして、今年1月の2つの小学校での5年生を対象とした環境教育では、児童の真剣な授業参加と活発な議論そして最後にごみ問題を解決するための決意表明がなされました。

感じるのは、プノンペンの皆さんが、「自分たちの街をきれいにしたい」という熱い気持ちです。

活動開始してほぼ1年、これから正念場です。プノンペンの皆さんの実行力を後押して、一歩一歩、ごみ管理のレベルアップを図っていきたいと願っています。