食品系廃棄物の堆肥化およびリサイクルループの構築 普及・実証事業の現況
〜 マレーシア国キャメロンハイランド 〜
2021年1月
技術協力部 部長専門員 竹内 眞介
堆肥化装置運転状況
マレーシア国のキャメロンハイランドは、標高1‚500mを超える高原地帯で自然が残る観光地であるとともに、冷涼な気候を活かした野菜や果物の栽培が盛んな地域です。
しかしながら、野菜残渣や食品廃棄物(以下食品系廃棄物)は、廃棄物中の水分が多いため現地にある焼却工場では焼却処理ができず、200q程離れた最終処分場へ運ばざるを得ないなど、深刻な廃棄物処理問題を抱えています。
このような背景から、潟Eエルクリエイト殿は北九州市及びKITAの協力のもと、JICA普及・実証事業を活用して、マレーシア国の廃棄物管理公社と共に、図に示すとおり、2019年11月より、ホテル、マーケット、農家から排出される日量2トンの食品系廃棄物を分別収集し、コンポストセンターでの堆肥化事業を開始しました。
ただ、マレーシア国におけるコロナ感染が2020年2月ころから始まり、4月と5月は同国全域において州間をまたぐ移動、集会、会食などが禁止されたため、キャメロンハイランドにおいてもホテルやマーケットが閉鎖になり、本事業もその間休止しました。
幸い禁止令が緩和された6月からは廃棄物管理公社が運転を再開し、現在まで順調に運転が行われています。