技術協力

マレーシア国キャメロンハイランドにおける食品系廃棄物の堆肥化及びリサイクルループの構築、普及・実証・ビジネス化事業(その3) new!

2023.06.13

技術協力部 部長専門員 竹内 眞介

JICA普及・実証事業の堆肥化設備

 キャメロンハイランドは、標高約1‚500mの高原地帯で、年間約30万人の観光客が訪れる観光地であるとともに、冷涼な気候を活かした野菜や果物、花の栽培が盛んな地域です。一方、廃棄物処理の点では、水分の多い野菜残渣や食品残渣が多く排出されており、焼却処理に苦慮しています。

 このような背景から、潟Eエルクリエイト殿はJICA普及・実証事業を活用して、マレーシア国の廃棄物管理公社と共に、2019年11月より、市場やホテルから排出される日量2トンの野菜残渣や食品残渣を分別収集し、コンポストセンターで堆肥化する事業に取り組まれており、KITAは北九州市と協力してこの事業を支援してきました。

 設備の運転開始直後の2020年2月から2022年6月の間(約2年半)、コロナ感染による移動制限で収集量が激減しましたが、移動制限が解除された同年5月から現地への渡航を再開して精力的に活動した結果、収集量が増加し現在では安定した収集と堆肥化処理が行われています。出来上がった堆肥は国立農業試験研究所で成分分析と栽培実験を行ない、肥料として安全且つ十分な性質を有していることが証明されました。また一部の農家がこの堆肥を使用した試験栽培に協力してくれ、できた野菜が市場で販売されて評判になりました。このように普及・実証活動は順調に進展し、2023年6月をもってこの実証事業は終了しました。今後のビジネス展開としては、現地企業との合弁事業立ち上げの協議が進んでおります。