環境省(本省)及び環境省環境調査研修所の2024年度研修実績
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2025.03.26
技術協力部部長専門員 澤田献、川岡浩二

日中韓三カ国合同環境研修 開講式後の集合写真

日中韓合同環境研修中の各国ディスカッション
中央官庁の地方移転の一環として2015年から環境省環境調査研修所の研修の一部が「環境先進都市」北九州市に移管され、その事務局機能をKITAが受け持っています。こうした中、日中韓環境大臣会合で合意された「環境共同体意識の向上」に向け2001年より各国持ち回りでの合同研修が行われ、環境省(本省)主催の「第22回日中韓三カ国合同環境研修」が2024年11月5日〜8日(移動日込)の日程で、5年ぶりに北九州市で開催されました。
各国の環境オフィサーである研修生19名(日本9名、韓国5名、中国5名)が参加し、「循環経済と資源効率性」というテーマで、同時通訳を採用した講義、各国プレゼンテーション及びディスカッション等が行われました。また、エコタウン企業視察、日本文化体験等のカリキュラムを含め実質2日間という短期間での集中研修でしたが、研修生からは研修全体の理解、三カ国の交流活性化につながったとの高評価を得ました。

廃棄物・リサイクル専攻別研修 修了後の集合写真
一方、日本国内では、環境省環境調査研修所主催の「廃棄物・リサイクル専攻別研修(循環型社会実践コース)」(42名参加、以下「廃・リ研修」)、及び「国際環境協力基本研修」(22名参加、以下「国際研修」)の2研修が例年同様に実施されました。両研修は国内の自治体職員を対象とし、「廃・リ研修」においては循環型社会形成に向けた実践的な現場見学を通して廃棄物・リサイクル対策に必要な専門知識習得を目標としています。また「国際研修」においては、途上国由来の環境負荷増に対して国及び地方自治体の国際環境協力の取組みが求められる事から、講義、関連施設見学等による基本知識習得、動機付け等を目的としています。

国際環境協力基本研修 国際協力経験者と研修生の集合写真
更に研修システムとして、「動画講義配信によるオンライン事前学習」と「北九州市集合研修での施設見学・グループ討議」のハイブリッド構成のカリキュラムを採用しました。また、研修の効率化及び企業視察や講師と研修生の相互対話・交流による知見習得に加えて、ネットワーク拡大が期待できるカリキュラムを実施しました。その結果、参加研修生は動画講義の事前配信学習を時間的な制約なく、いつでも視聴できた事に対して評価いただきました。更に、北九州市での集合研修におけるエコタウン企業見学、国際環境協力実務体験者や海外留学生とのディスカッション及びグループ討議やアフター5の研修生同士の交流等、対面研修ならではの交流、相互啓発、ネットワーク形成に対して高い評価を得ました。今後はこれらの成果も踏まえ、研修カリキュラムの更なる充実に努めたいと思います。