国際研修部トピックス

2018年度 「イラク国別研修「産業環境対策における能力開発フェーズ2」コース
イラクの環境改善に大きな成果が期待されます

2018年8月31日〜2018年9月21日

コースリーダー 枌 康則

大気汚染物質濃度の簡易測定の演習

イラク都市部の環境は、イラク戦争の終結後、急速な工業化の進展により、未処理の排気ガス、排水及び廃棄物に加え自動車排ガスなどで環境悪化が著しく、環境に調和した工業発展のための方策が喫緊の課題といえます。

この研修は、イラクの環境省、クルド地域政府環境省、地方行政区環境機関の職員が、日本の産業公害の対応状況を学び、自国の産業環境対策への適用を図るための能力向上を目的として実施しています。

KITA研修では、既に2014年度から2016年度までの3年間に大気・水質・廃棄物の分野統合研修に延べ37名の研修員が受講しています。

2018年度は、引き続きフェーズ2として専門分野ごとに大気汚染対策の研修委託を受けて8/31〜9/21に実施しました。


北九州市公害監視センターで大気常時監視システムについて受講
この研修における到達目標は、大気に関する@産業公害防止の総合的政策と効果的な対策、A汚染原因物質と対策技術の理解習得、B環境品質モニタリング技術の理解、C実現可能なアクションプランの作成となっています。

本コースのカリキュラム構成は、北九州市・福岡県の行政、北九州地域企業の協力を得て  @日本の法制度
  A排ガス、粉塵及び臭気の処理対策技術
  Bセメント、化学及び発電並びに窯業などの工場における環境対策とモニタリングの
   実態
  C排ガス測定演習等、をアラビア語の通訳で実施しました。

今回の研修員8名は、講義・工場見学など熱心に研修し、ほぼ全てのカリキュラムが有益な内容であったと評価しており、将来、イラクの環境改善に大きな成果が期待されます。