国際研修部トピックス

2022年度来日研修「職業訓練の運営・管理と質的強化(C)」コース
La educación es amor

2022年9月26日〜2022年10月21日

コースリーダー 有竹 岩夫

閉講式での集合写真


研修訪問先での写真1
 コロナ感染が収まらない中で、3年ぶりの訪日研修が始まった。
水際対策で、ニカラグア研修員2名は成田のホテルで待機となり、ギニアビサウ研修員1名は航空便の都合で遅れ、既にJICA九州で待機しているボリビア、ブラジルの3名を含めて全6名が、最初の1週間で「2年前に製作した講義動画」を使った6科目のオンデマンド研修から始まった。コロナ以前とは違うスタートである。

 研修を計画したのは今年6月で、殆どの研修先を回って4カ月先の研修受け入れをお願いし、コロナ感染などの最悪の場合を想定した研修手段などを打合せさせていただいた。条件付きながらも受入れには前向きな対応をしていただいた。色々なケースを想定してはいたが、後々この打合せが活きてくることになる。


研修訪問先での写真2
 事前の研修には「アクションプラン講義」動画などが含まれており、スタートから指導に入ることができた。各種の動画は、コロナ感染防止でここ2年間実施してきたオンライン研修の産物であるが、これによりかなり効率的な運営となった。研修員もしっかり勉強しており、いい感触で始まった。しかし、直後に研修先企業から「社内感染」のためにオンライン研修でお願いしたいという話になったが、所謂想定内の出来事として混乱なく対応し、その後は計画通りの対面での講義が続いた。各講師も久々の対面研修ということで、講義時間の内外での個別の相談対応や各国からの悩み相談など、当たり前の風景が蘇った。

 その後の訪問先でも、今までのオンラインでの講義や動画ではなく「現場」を肌で感じることができ、質疑も活発に行われた。訪問先の生き生きとした受入れ体制が感じられた。

 ある企業からの受入れ条件により、1週間以内のPCR検査が行われ、研修員1名の陽性が判明した。このような場合を想定して、JICA−KITA間での危機管理対応を打合せたこともあり、双方の連絡、研修員への対応などが適切に行われ、研修員は不安に陥ることもなく研修が進められた。


研修訪問先での写真3
 先ずはその後2日間の訪問研修を取りやめ、オンライン講義への変更と訪問研修の翌週への延期に対し、各研修先では柔軟且つ積極的に応じていただき、計画が変更された。中でも近郊の訓練校では訪問できない陽性の研修員のためにわざわざ「オンライン配信」に対応していただいた事は感謝に堪えない。陽性だった研修員は6日目の早朝に陰性が確認され、全員が通常の研修に戻った。何事もなかったかのように、研修を楽しんで閉講式を経て全員元気に帰国の途についた。

 JICA九州以外での宿泊ができないという制限の中、日帰り旅を楽しんだ5週間。いい思い出を作れただろうか。

 表題の「La educación es amor」はある講師からいただいた言葉。職業訓練に関わらず指導者への戒めであろう。