国際研修部トピックス

2022年度遠隔研修 「起業家育成・スタートアップエコシステム形成促進 (B)」コース
研修コースリーダーを初体験

2023年1月16日〜3月3日

コースリーダー 室屋 行宏

オンライン・リモート研修中の集合写真

 これまで私は企業や九州の経済団体、福岡県の外郭団体に奉職し、KITAには昨年春から従事しておりますので、今回の海外研修員の研修コースリーダーは、全くの初体験でした。
 本コースは、KITAの中島コースリーダーが設計されたもので、2021年に新設されたコースですが、世界的なコロナ感染大流行により、今回までは遠隔での研修が行われました。研修員は、中東・アフリカ地域のコンゴ民主共和国、エジプト、ガーナ、モザンビーク、ウガンダ、イエメンの6ケ国から計7名が参加しました。殆どがそれぞれの国の企業や起業家を支援する政府関係者でした。そして、最終的にその内の6人に研修修了証が授与されました。

 遠隔研修についてですが、日頃、PCや携帯電話でほぼストレスなく、生活や仕事をしてきた私にとって、今回の参加国の皆さんの通信や電源のインフラ状況が、あまりに酷いことに少し驚かされました。講義中に頻繁に電源が落ちたり、通信回線状態が悪く、雑音や画面フリッカーが発生したりと、その度に、遠隔のzoom会議に入り直したり、PCから携帯電話に切り替えて、何度も入室をトライする研修員もいました。

 遠隔研修なので、やむを得ないとはいえ、参加国の現地時間で、朝一番から昼過ぎまでのライブ講義となり、研修員の本来業務が多忙な中、また昼食の時間を跨いだりした中で、更には家族や本人の病気などの突発的な事件を抱えながらの講義開催でしたが、ほぼ全員がとても元気に、熱心で、それこそなんでも吸収しようという姿勢でした。実際、講義の途中や終わりに、沢山の質問や意見、コメントなどがあり、講義によっては、講師のメールアドレスを聞いて、現地でのピッチ開催や投資をラブコールするなど、講義時間をオーバーしそうな位のアグレッシブな態度は、個人的には、とても楽しく、好感が持てるものでした。そんな質問やラブコールにも、快く、丁寧に対応いただいた講師の方々には本当に感謝しております。また講義前の談笑で、研修員の子供や孫を画面で紹介してくれるなど、癒される場面もありました。

 ライブ講義では、上に述べた色々な状況や事情に加え、ハンディキャップを抱えた研修員や英語が不得意な研修員の方々の要望もあり、講義後にJICAオフィサーやコーディネーターと相談して、追加で、zoomでの講義動画を、ユーチューブにて、期間限定で配信して、研修員が復習や補習ができるようにしました。また日々の講義の終わりに、次回の講義の案内、テキストNo.を知らせたり、近々の提出物や復習録画の案内を丁寧に行うことやメールでの告知も心掛けました。

 コースリーダーの初体験にしては、いろいろなことがありすぎ、手も掛かり、気を遣いましたが、アクションプラン発表会の後の研修員からの生の言葉や後日のメールで、「私の人生で一回のとても貴重な忘れ難い体験ができた」、「皆の質問を公平に粘り強く聞いて、回答してくれて有難う」、「今後の仕事に生かしていく」、「次もJICAの上級コースで勉強したい」などと、お礼や感謝の言葉をいくつも送っていただきました。こちらこそ、感謝、感動です!

 最後に、講師の方々、またご指導頂いたJICAの中野オフィサー、波多野コーディネーター、KITA事務局の方々に深く感謝いたします。 本当に有難うございました!